Ⅸ.定型約款

(1)定型約款の合意及びみなし合意
 ・現行民法においては、約款に関する特別な規定が存在せず、約款が契約の一部となるか否かについて、
→改正民法においては、契約内容の一部となるための合意の要件ついて、次の通り整理された。
①定型取引(不特定多数の者を相手方として行う取引であり、その内容の全部または一部が画一的であることがその双方にとって合理的なもの)に該当するものであること、
②約款を契約内容とする旨の合意があるとき、
③「定款約款準備者」が予め定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたときには、当該約款についても合意したもの(契約内容の一部となる。)として扱われる(改正民法548条の2第1項)
→③に関して、相手方が約款内容の開示を求めた場合には、既に提供を行っている場合を除いて、開示を行う必要があるものとされており、違反した場合には契約後であっても合意が成立しないものとすることが規定された(改正民法548条の3)

(2)不当条項
 ・定型約款に含まれる条項のうち、相手方の権利を制限し、または相手方の義務を加重する条項であって、取引の態様や社会通念からみて信義則に反して一方的に相手方を害するような条項については、合意しなかったみなす(契約内容とならない)旨が新たに定められた(改正民法548条の2第2項)

(3)定型約款の変更
 ・定型約款準備者が事後的に約款の変更を行う場合、
①その変更が相手方の一般の利益に適合するとき、あるいは
②その変更が契約目的に反せず、かつ変更の必要性、内容の相当性、変更の可能性があることことの定めの有無、その内容等の変更に係る事情に照らして合理的なものである場合には、個別に相手方の合意を得なくても約款の変更が有効となることがあらたに定められた(改正民法548条の4第1項)。
 ・変更を行う場合には、変更の効力発生時期を定め、変更後の内容及び変更の旨をインターネット、その他の適切な方法によって周知する必要がある(同条2項)。