旅行業又は旅行業者代理業を営むには
1.旅行業又は旅行業者代理業を営むとき、旅行業法に定められた営業の範囲の区分(*前提)に応じて、第一種旅行業、第二種旅行業、第三種旅行業、地域限定旅行業、旅行業者代理業者の登録を得る必要があり、その要件を定めた手続です。
2.提出先
国土交通大臣又は都道府県知事
①第一種旅行業登録の場合
申請者は申請書(*)の受付である主たる営業所を管轄する地方運輸局の旅行業登録担当に申請し、同地方運輸局は国土交通省観光庁観光産業課旅行業者登録係に申請書を送付し、同省は審査し、登録・登録拒否かを申請者に連絡します。
*新規登録申請書
②第二種・第三種旅行業登録・地域限定旅行業登録、旅行業者代理業者登録の場合
申請者は申請書を受付である主たる営業所を管轄する都道府県の旅行業登録担当に申請し、同担当で審査し、登録・登録拒否を申請者に連絡します。
3.旅行業又は旅行業者代理業を営もうとするときに申請書を提出します。
4.添付書類
1)法人の場合
①定款又は寄附行為 ②登記事項証明書
③旅行業務に係る事業の計画 ④旅行業務に係る組織の概要
⑤財務諸表 ⑥法人税確定申告書及び科目明細書の全ページ
⑦⑤に掲げる書類について公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の確認を受けたことを証する書類
⑧申請者(取締役、監査役の宣誓書)
⑨旅行業取りああ使い管理者選任一覧表
⑩)旅行業務取扱管理者の試験合格証の写し、宣誓書、履歴書、定期研修修了証の写し
⑪営業所の使用権原を証する書面
⑫事故処理体制の説明図
⑬旅行業協会の入会確認書(旅行業協会に入会する場合)
⑭代理表契約の契約書の写し
⑮標準旅行業約款
2)個人の場合
①住民票 ②宣誓書
③申請者が未成年であるときはその法定代理人の使命及び住所を記載した書類
④旅行業務に係る事業の計画 ⑤旅行業務に係る組織の概要
⑥財産に関する調書 ⑦旅行業取扱管理者選任一覧表
⑧両業務取扱管理者の試験合格証の写し、宣誓書、履歴書、定期研修修了証の写し
⑨営業所の使用権原を証する書面(賃貸契約書の写し)
⑩事故処理体制の説明図
⑪旅行業協会の入会確認書(旅行業協会に入会する場合)
⑫代理業契約の契約書の写し(旅行業者代理業の場合)
⑬標準旅行業約款
<ポイント>
1.旅行業務の取り扱い範囲とカテゴリ*前提をご覧ください
2.登録の種別ごとに基準資産額が定められている*前提をご覧ください
3.取り扱う売上高によって、営業報奨金の供託金額が定められています。
旅行業協会に加入すると、弁済業務保証金分担金を納付することで営業保証金の供託に代えることができます。
弁済業務保証金分担金は、営業保証金額の5分の1の金額です。
4.第一種旅行業登録、第二種旅行業登録、第三種旅行業登録、地域限定旅行業登録は、有効期間が5年間で、引き続き営業を継続する場合には更新手続きがあります。
5.「定款」の事業目的には、それぞれ以下のように定める必要があります。
1)旅行業者(第一種、第二種、第三種、地域限定)の場合
・旅行業
・旅行業法に基づく旅行業 のいずれか
2)旅行業者代理業の場合
・旅行業者代理業の
・旅行業法に基づく旅行業者代理業 のいずれか
6.添付書類⑩の「定期研修修了証の写し」を提出できない場合は、定期研修を受講させる旨の誓約書を提出します。
<関連登録>
1.旅行業登録の有効期間満了後に引き続き旅行業を営もうとするとき
2.旅行業又は旅行業者代理業の登録内容に変更があったとき
3.旅行業務に関する旅行者との取引額を報告するとき など
<*前提>
・旅行業には、「旅行業」と「旅行業者旅行業」の種別(業務範囲)があり、「旅行業」はさらに取り扱える旅行契約の内容により、第1種旅行業、第2種旅行業、3種旅行業の3つに区分されています。なお、地域限定旅行業も「旅行業」に含まれます。
Ⅰ.第1種旅行
1.第1種旅行業とは、国内・海外の募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行、他社募集型企画代売などすべての旅行契約を取り扱える他社業登録です。
・取り扱う業務は旅行契約の全てを行うことができるため、営業保証金や基準資産額などの財産要件が最も難しいものとなっています。
2.第1種旅行業の取り扱う業務の範囲
・旅行契約全ての業務が行えます。
・ただし、海外の業務(募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行、他社募集型企画代売)を行う際には、旅行業務取扱者は必ず総合の資格を持った方を選任する必要があります。
3.登録の条件
・基準資産額が3000万円以上であることが必要です。
営業保証金の場合 7000万円
弁済業務保証金分担金の場合 1400万円
(旅行業協会加入の場合)
基準資産額 3000万円
Ⅱ.第2種旅行業
1.第2種旅行業とは、「海外の募集型企画旅行」いがいの全ての旅行契約を取り扱える旅行業登録をいいます。
2.第2種旅行業しか取り扱わない場合には、旅行業取扱管理者は国内の資格を持った方の選任で対応できますが、海外の業務(受注型企画旅行、手配旅行、他社募集型企画代売)を行う際には、旅行業務取扱管理者は必ず総合の資格をもった方を選任する必要があります。
3.登録の条件
・基準資産額が700万円以上であることが必要です。
営業保証金の場合 1100万円
弁済業務保証金分担金の場合 220万円
(旅行業協会加入の場合)
基準資産額 700万円
Ⅲ.第3種旅行業
1.第3種旅行業とは、海外、国内を問わず自社で募集型企画旅行を行うことはできない旅行業登録をいいます。
ですが、一定の場合には国内の募集型企画旅行を実施するようになりました。
2.第3種旅行業の取り扱う業務の範囲
平成19年5月12日施行の旅行業法改正により、第3種旅行業務の範囲が変更され、一定条件のもと、国内の募集型企画旅行を実施することができるようになりました。
国内の募集型企画旅行を実施するためには
ⅰ)募集型企画旅行の催行区域が当該募集型企画旅行ごとに、当該事業者の一の営業所が存する市町村(東京都の特別区を含む)
ⅱ)これにより形成される区域内に設定されていること。
3.登録の条件
・基準資産額が300万円以上であることが必要です。
営業保証金の場合 300万円
弁済業務保証金分担金の場合60万円
(旅行業協会加入の場合)
基準資産額 300万円
Ⅳ.地域限定旅行業
1.地域限定旅行業とは、地域の観光資源の活用や多様化する観光客ニーズへの対応から、いわゆる「着地型旅行」の商品を提供するための旅行業登録となります。
*{着地型旅行」とは、旅行者を受け入れる地域側が地域の観光資源を基とした旅行商品や体験プログラムを旅行者へ提供する旅行形態のことをいいます。
ですが、一定の場合には国内の募集型企画旅行を実施することができるようになりました。
2.地域限定旅行業の取り扱う業務の範囲
以下の両方の要件を充たす場合に限り、国内の募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行を実施することができる。
ⅰ)国内の募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行の催行区域が、当該旅行ごとに、当該事業者の一の営業所が存する市町村(東京都の特別区を含む)
ⅱ)これにより形成される区域内に設定されていること。
3.登録の条件
・基準資産額が100万円以上であることが必要です。
営業保証金の場合 100万円
弁済業務保証金分担金の場合20万円
(旅行業協会加入の場合)
基準資産額 100万円
Ⅴ.旅行業者代理業
1.旅行代理業とは、他社の旅行商品を他社のために代理して販売する旅行業務です。
・旅行会社からの販売手数料が旅行業代理業としての唯一の収入となり、代理契約を締結した他社の旅行業務の全てを行う可能です。
・営業を行うためには都道府県知事への登録が必要で、他の旅行業とは違い、営業供託金・営業保証金が必要ありません。
ex旅行業登録業者と代理業業務委託契約を締結した範囲の旅行業を行う業者が旅行業者代理業となります。
ex自社内での旅行の企画はできない。
ex2つ以上の旅行業者の代理を行うこともできない。
・旅行業業務取扱管理者に関しては、旅行業登録者との代理契約の範囲によって国内の旅行業務しか取り扱わない場合には、選任する旅行業務取扱管理者が国内業務取扱管理者の資格を持った方でもよいです。
exメジャーリーグのグッズなどを販売しているお店が旅行業者代理業を登録し、他の旅行会社が企画したメジャーリーグ観戦ツアーを販売するなどの業務を行うことが可能になります。
・旅行業者代理業を登録しても、自ら旅行を企画することはできませんが、「本来の商品とあわせて旅行ツアーも売る」というような事業形態での営業も可能となります。
2.登録の条件
3.事業目的の記載
4.総合または国内の旅行業務取扱管理者を選任すること