2019/8/8

企業法務の専門家


岩倉正和弁護士を懲戒 企業法務の専門家
2019.3.25 20:00社会裁判https://www.sankei.com/affairs/news/190325/afr1903250032-n1.html

 第一東京弁護士会は25日、自身の離婚訴訟で妻の代理人になった弁護士について、
正当な理由がないのに懲戒を請求したとして、
岩倉正和弁護士(56)を業務停止2カ月の懲戒処分にした。
岩倉氏は企業法務の専門家で、一橋大大学院の客員教授も務めている。

 弁護士会によると、岩倉氏は平成26年4月、
妻の弁護士が離婚調停で虚偽の発言をしたとして懲戒請求。
発言は「岩倉氏が妻を一方的に攻撃した」などとする内容で、
弁護士会は事実だと認定し、岩倉氏が懲戒請求権を乱用したと判断した。

 妻の弁護士は26年10月に「懲戒不相当」となった。

 このサンケイ新聞の記事の見出しは、なんとも言えないタイトルですね。

ところで、今回の記事のタイトルに使ったのは、企業法務という言葉に引っかかったからです。なぜなら、弁護士はもちろんですが、司法書士は商法、商業登記法、供託法などが受験科目のなかに含まれているから、当職の業務だと主張される方がいるからです。しかし、企業法務の基礎的知識を見ると、次の様になっています。

企業法務の基礎
登記関連業務:役員変更登記
      株主総会議事録、取締役会議事録、登記申請書の作成
契約関連業務:主要な契約類型について、契約書の体裁とチェックポイントを説明
      契約書作成の基本的注意点
      契約書の構成、契約の締結権限、署名、契約書の綴じ方、印鑑の種類、

      押印の種類、印紙税、公正証書、内容証明郵便、契約書の一般条項
      動産売買契約、継続的売買基本契約、金銭消費貸借契約、業務委託契約
      代理店契約、販売店契約、ライセンス契約
      個人情報保護条項
債権回収業務:債権管理

担保の取得:抵当権・根抵当権、動産譲渡担保、集合物譲渡担保、集合債権譲渡担保、

      債権質、保証・連帯保証・根保証
債権回収の手法:交渉、相殺、債権譲渡(代理受領・振込指定)、在庫商品からの債権回収 

       担保権の実行、保全手続、強制執行、訴訟の提起(通常訴訟・少額訴訟)
倒産対応:破産、民事再生、会社更生
労務関係業務:就業規則、労働契約書
       労働時間(時間外労働、休日、36協定)
       有給休暇
       労働保険の基礎(労災保険、雇用保険)
       社会保険の基礎(健康保険、厚生年金)
解雇対応

などがあげられます。登記の司法書士、社会(労働)保険の社会保険労務士、債権回収・倒産対応の弁護士(一部司法書士が当たる)など士業の業際の点から分散されているが、全体的に俯瞰するとやはり弁護士の業務なのかもしれない。

私の職歴からして企業法務はとてもシンパシーがある。なぜなら、職種において様々な特徴、専門性があるとおもいますが、私の出身である業界からみると、当たり前のことだ。

つまり、各種企業出身(せめても経営者的な面を携わっていた)の行政書士にとっても同様であろう。

士業にとって、企業様のお役に立てることは、大きな自信につながると思います。しかし、BtoCの場面は難しい。弁護士の難しさが分かる。

企業法務は、今後とも抵触しない限りにおいて、関わっていきたい分野である。