2019/8/28

遺産分割の取り分に借金含めず?

 2019/8/27に遺産分割の遺産の取り分について重要な最高裁判例が出ました。
 
原告:父の死後に血縁関係が判明し、婚外子として認知(死後認知)された子
訴訟の内容:婚外子が請求できる金額
論点:すでに父の遺産を分割していたほかの相続人に、金銭による遺産の支払いを求めた場合、遺産の取り分の計算に借金も含めるべきなのか。
判決:最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は27日、「金額の算定はプラスの財産のみで計算すべきだ」との初判断を示した。5裁判官全員一致の結論。

遺産分割に借金含めず 死後認知の婚外子、最高裁初判断
2019.8.27 19:13社会裁判
 男性が平成20年に死亡した後、妻と息子は遺産を分割。24年に男性の子と認知された東京都の20代女性が、息子に約3000万円の支払いを求め提訴していた。

考え方

・民法は死後認知などで遺産分割終了後に相続人になった人物は、相続分に応じた金銭による支払い請求権を有すると規定している。

・息子側は、妻が男性の借金弁済を前提に預貯金の大部分を相続したため、現金はほとんど受け取っていないと主張。財産から借金を差し引くよう求めていた。

・第3小法廷は「分割対象とされた遺産の金額を基礎として算定するのが相当」と指摘。「マイナスの財産である相続債務は、遺産分割の対象とはならない」と判示した。

 この判例は、自然な社会常識に沿った判決のように思います。

最近の最高裁は、法律を知らない者から考えても当たり前のような判決が多いですね。

これはやはり、戦後の家族法がまだ、旧民法下での法制度の下に生きているように思わせますね。

我々としては、相続人の調査・確定の重要性を改めて知らされました。