2019/9/12
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「相続時精算課税制度」とは |
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019/09/11 <ポイント> 1.相続時精算課税制度は、貯蓄を消費に回すことを目的に、高齢者の財産を子どもや孫の世代に移転するために作られた制度 2.相続時精算課税制度とは、父母および祖父母の年齢が60歳以上で、子どももしくは孫が20歳以上の場合に選択できる制度です。贈与税は年間110万円までは非課税ですが、相続時精算課税制度を利用すると2,500万円までが非課税となり、2,500万円を超えた分には20%の税金が課されます。 3.相続時精算課税制度のメリットは、2,500万円という大きな非課税枠を利用できる 4.相続時精算課税制度は、収益を生み出す物件などを保有しているケースでも有効 5.相続時精算課税制度にも、注意すべき点があります。 ⅰ)相続時精算課税制度を選択すると、それ以降は年間110万円までの非課税枠が利用できなくなります。 ⅱ)相続時精算課税制度を選択した場合は、「小規模宅地等の特例」を利用できなくなります。 この相続時精算課税制度、高齢者の財産を生前に子どもや孫の世代のご家族に移転するためにはメリットがあります。しかし、ポイント5ⅰ)のように注意すべき点があるからです。 なぜなら、高齢者の平均寿命年齢はまだ高くなっています。これは、財産を移転するには、いつそのことをするかという判断が難しいと思います。 このことは、認知症患者が2025年には700万人になると言われています。この年は、第一次ベビーブームに生まれた人々が75歳になる時期です。平均寿命は延び続け男子82歳、女性88歳とという現在をさらに高くなっていくことでしょう。 そのとき、高齢者の財産の生前対策はいつからすればいいいのでしょうか。 今回の相続時精算課税制度は今さえ、一時的であってもお金を持っている高齢者のお金を動かせればよいという相変わらずの一面的な解決方法しかないでしょう。 高齢者も人生を全うする権利を十二分に有しています。その高齢者が蓄えてきた財産を権利を有するからといって相続人があれこれいうのもみすぼらしいです。 この高齢者の生前対策という視点から、争族でない相続を迎えるためにも、財産管理を含めた対応の時期を逸しないようにして頂けるとよいです。 認知症は、本人は知らない間に進んでいます。少なくとも、高齢者の方は認知症のことを十分に知ることは必要かもしれません。 そうしなければ。高齢者の財産管理もご自分ですることが制約をうけてしまう懸念があります。 例えば、後見人制度です。いつまでも健康でいるためにまず、認知症という病気を知ることは意義があるのではないでしょうか。 制度をつくるのは簡単だけど視点はいつも一面的のように見えます。
<参考記事> 019/09/11 現在暦年贈与は年間110万円までが非課税ですが、相続時精算課税制度を用いれば、最大2,500万円について納税を先送りできます。本稿では、相続時精算課税制度の概要やメリット・デメリット、活用法などについて説明します。 高齢者だけが貯蓄する時代 高齢者だけが貯蓄し、若い世代は多くの負債を抱えている状況では、景気は良くなりません。しかし、生前に財産を贈与すると、多額の贈与税がかかってきます。このような資産移転の障壁があったため、これまでは財産の承継がなかなか捗りませんでした。この問題を解消し、生前贈与を円滑化するために導入されたのが、「相続時精算課税制度」です。 相続時精算課税制度とは 相続時精算課税制度を利用した時点での相続財産と、その他の相続財産と合算した総額が基礎控除を超えた場合は、相続時に改めて課税されます。 相続時精算課税制度のメリット 相続時精算課税制度では、贈与した時点の評価額で相続額が決定します。たとえば、今後値上がりが予想される株式や不動産などを保有している場合、相続時精算課税制度を利用して先に贈与額を確定しておけば、その後値上がりしたとしても、その分が節税できるのです。 相続時精算課税制度は、収益を生み出す物件などを保有しているケースでも有効です。物件は収益を生みますが、それを貯めていくと相続時に課税されます。しかし、相続時精算課税制度を利用して親から子どもなどに物件を贈与すれば、子どもに収益(不動産収入)を移転できるため、その分は相続時に課税されずに済むのです。 相続時精算課税制度の注意点 また、相続時精算課税制度を選択した場合は、「小規模宅地等の特例」を利用できなくなります。小規模宅地等の特例は、土地の評価額を大幅に下げることができる制度なので、どちらを選ぶかはよく検討する必要があります。 賢く活用すれば強い武器に |
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