2019/11/4

外国人支援の現状

*外国人支援の現状

<ポイント>

1.スタートアップ企業が日本で働き始める外国人の一括サポートに商機を見いだしている。住民登録や銀行口座の開設を中心にビザ申請、マンションの入居手続きまで支援メニューが広がる。

2.在日外国人が2017年創業の観光ツアー会社、otomo(オトモ、東京・文京)のガイドが英語で教えていた。9月から始めた外国人就業支援サービスの一環だ。

サービスには口座開設のほか住民登録、携帯電話契約にも、通訳ガイドが同行するメニューがある。来日前のビザ申請の代行なども含め、6種類を提供。従来の航空券手配など10種類

 外国人支援について、まだ政府がどのような対応をするか定かではない。しかし、出入国在留管理庁の佐々木聖子長官(57)と時事通信社とのやり取りを思い出してほしい。

 

  -特定技能の申請や許可の状況は。

 特定技能に移行予定だが支援機関の準備などが整わず、特例で就労を認めている数、外国にいる人を呼び寄せる在留資格認定証明書、日本にいる人の在留資格変更などの申請を合わせると1300人を超えている。(重複があるが)各分野の試験合格者も計2000人を超えている。特定技能の外国人は着実に増加していくと思われる。
 -都市部への偏在はないか。
 少なくとも全国の入管局が申請を受けている。技能実習も全国津々浦々でなされている。そういう意味で偏在が顕著になっている状況ではない。

 -制度に工夫を凝らした点は。


 それは支援。今回は受け入れ機関に二つのことを義務付けた。一つは適正に雇用すること。もう一つはちゃんとした支援をしてもらうこと。入管として支援を義務付けるのは初めて。誰かが外国人材に寄り添う形にすることに意を用いた。

 これから先も外国人が増えていく社会のインフラとして、外国人に寄り添う職業が確立していくのはいいことではないか。うまくいけば日本の受け入れ施策のオリジナルな強みになっていくかもしれない。

 -資格を作ることもあるか。
 いずれ専門性が高まり、社会の中におけるステータスが高まり、「外国人支援士」みたいなことができたらいいという話は(庁内で)出た。まずは今回の支援機関がきっちりと育ち、広まり、機能していけばいい。その先にある話だ。

 このように、出入国在留管理庁の佐々木聖子長官(57)は時事通信社のインタビューに応じ、4月に導入した新在留資格「特定技能」で就労する予定の外国人が、直近の16日現在の集計で3000人を超えるとの見通しを示した。一方、入管庁の新たな役割に外国人支援が加わったことを踏まえ、将来的な「外国人支援士」創設を視野に入れていることを明らかにした。

 この情報は8月28日に発信された情報であるが、この情報は、本ブログでも取り上げご紹介させて頂きましたが、多数の方に読まれており関心の深さに驚いています。

 外国人支援事業のサービスの内容は、<ポイント>でも上げたように、セットアップ企業、在日外国人の企業の外国人向け航空券手配を端緒としたサービス内容の拡大など、また、外国人向け不動産賃貸事業を行ってきたサービス内容の拡大として、外国人に関するあらゆるサービスをビジネスの端緒にしてます。

 しかし、このような考え方に異論もおありでしょうが、日本人と同様に微に入り細に行ったサービス展開をするのではないでしょうか。

ここで、一つ考えなければならないことは、外国人は日本人ではない、サービスのし過ぎは決して、日本人を幸福にしないように思えます。

 このように民間人主導で外国人の支援事業が、始まっていますが、ビジネスとしての専門性を高めることはできても、外国人との本質的な溝は埋まらないように思えます。

 では、どうすればいいのか。個々人の資質に頼る他ないものであり、我々すべてが今までの既成概念から脱皮し、新たな細胞を取り入れるしかないものでしょう。

 でも、難しいことです。今ある危機を受け止め、粛々と過ごしたいものです。

詳細は参考記事をご覧ください。

<参考記事> 

 

外国人の就業、丸ごと支援 住民登録から口座開設まで
スタートアップ ネット・IT サービス・食品
2019/10/21 0:00
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51110890X11C19A0FFR000/

スタートアップ企業が日本で働き始める外国人の一括サポートに商機を見いだしている。住民登録や銀行口座の開設を中心にビザ申請、マンションの入居手続きまで支援メニューが広がる。外国人労働者数は4年連続で2ケタ増となっており、日本人社員が付き添う手間を省きたい企業の需要が増える見込み。人材のグローバル化を新興勢が支えようとしている。

香港出身のチェー・ユントンさんは10月に来日し、自動車大手で働き始めた。2つ目の口座を作るため同月上旬、横浜市の銀行に赴いた。「ここは何を書くの?」。郵便番号の欄だったが、自分で持っている外国人の身分証明書「在留カード」には番号の記載がなく、よくわからなかった。

そのチェーさんに2017年創業の観光ツアー会社、otomo(オトモ、東京・文京)のガイドが英語で教えていた。9月から始めた外国人就業支援サービスの一環だ。

サービスには口座開設のほか住民登録、携帯電話契約にも、通訳ガイドが同行するメニューがある。来日前のビザ申請の代行なども含め、6種類を提供。従来の航空券手配などと合わせ、支援メニューは10種類になった。住民登録と口座開設の両方に同行する基本プランは税別計7万円だ。

留学生ら800人がガイドとして登録、10言語に対応する。外資系金融機関や国内大手メーカーなど10社から問い合わせがきている。平塚雄輝最高経営責任者(CEO)は「企業は外国人に社員を付き添わせることが多く、これから委託の需要が出てくる」とみる。

厚生労働省によると、18年10月末の外国人労働者数は約146万人で、17年の同月より14.2%増えた。13年の2倍に及ぶ。IT(情報技術)技術者など専門人材を含め外国人労働者は今後も増えると見込まれている。


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外国人への幅広いサポートでは、家賃保証を手掛ける06年創業のグローバルトラストネットワークス(同・豊島)が先行した。オトモは空港からホテルまでの送迎などで、きめ細かく支援。来日して暮らし始めるまでの様々なシーンでサービス競争が始まっている。

15年創業のアットハース(同・千代田)は賃貸マンションの仲介事業を営む。外国人は入居申し込みフォームに、住みたい場所の最寄り駅に加え、築年数と駅からの距離、部屋の広さの3つのうち何を優先するか選ぶ。後日、同社社員が条件に合う物件を提案する。

同社の特徴は、家を借りる際に必要な保険への加入代行もオプションで提供することだ。保険代理店の免許を取得しており、火災や物損などに備えた少額短期保険の申し込みを代行する。

「7月から楽天で働き始めるとき、サポートが幅広くて助かった」。イラク出身のメイズ・ノーマンさんは話す。ガス・水道の開通手続き、ごみの出し方の案内など暮らしにかかわる細かい助言も受けられる。

こうした支援は物件のオーナーにとってもプラスだ。文化の違いによる近隣とのトラブル、入居者が帰国して連絡がとれなくなるリスクを警戒し、外国人の受け入れに消極的になりやすい。

グローバルトラストネットワークスは競合の動きを受け、日本で働く外国人を海外でとらえる試みを広げる。15年、最初にベトナムのハノイに進出。日本の賃貸物件の紹介や携帯電話の契約の支援に取り組んでいる。

現在、韓国ソウルなどを含む4拠点を持ち、後藤裕幸社長は「30年までに30拠点に増やしたい」と話す。就業支援の需要を取り込むには海外でのネットワークづくりも鍵となる。

(斎宮孝太郎)